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■なぜ保存食なのか?

 南イタリアの家庭では、今でも昔からつづく、自家製トマトソースを作る家庭が多数ある。そのトマトソースの瓶詰め作業はイタリア映画のシーンの中で見たり、 人から話を聞いたりしていたので、結構前から知っていた「夏の風物詩」的な存在だったが、実際体験してみると、ものすごい重労働。

昔は今のように温室栽培がなかったので、どの家庭でも旬の野菜を 保存するのは当たり前のことだった。今回お邪魔したこちらの家族の場合、瓶詰め作業はスケールがでっかい!なにぶん、5家族以上の年間消費量に近いトマトソースを作るのだから、作業場はまるで工場のようになり、 家族総出動で黙々と仕事を続けていく。加えてトマトの旬は8月〜9月頭。一年で一番暑い時期に、火を使った作業もあり、本当に大変だ。

その分旬のトマトは真っ赤に熟し、大きく育った香り豊かなバジリコが加わり、 間違いなく美味しい。自然の味はきちんと作ればなんと約一年保存が可能。パッサータ(濃縮ソース)と ペラーティ(水煮)の2種類の作り方をちょっと拝見。

■750Kgのトマトを下ごしらえ…!

 早朝に契約農家から届いたトマトはなんと、750Kg。さすがスケールが違う。 CORBARRA種というトマト栽培では有名なカンパニア州切っての優良品種で先っぽが尖がっているいるのが特徴。 サレルノ市の近郊の町で収穫されたもの。 家庭によって違うが、SANMARZANOという長い楕円型のトマト(別名FIASCONI)でもよく作られる。 CORBARRAやPACHINOと言われるプチトマトタイプは、ぶどうの房のように 繋がっているのでまず、へたを取ってトマトを一個ずつにする作業から始める。

へたを取り大きなたらいで数回きれいに洗う。 痛んだ部分を発見したら、その部分をナイフで取り除き、良い部分だけをソースに使うようにする。 工場で画一化された作業ではなかなかそこまでは目が行き届かない。そういった細かい部分のケアが 後のお味に繁栄するのだろう。きれいにあらった後は、ナイフで約半分程度の位置に切り目を入れて、 火を通りやすくする。

とにかく大きいバジリコはトマト同様良く洗う。 葉を一つ一つに切り離すとすぐに、豊かな香りが広がる♪。良く洗った瓶の中に3〜5マイほど生のまま入れ、 ソースの詰め込み準備はOK。

■Passata(裏ごしトマトソース)の瓶詰め

1: トマトを詰める前に、バジリコの葉を数枚を瓶に入れていく。
2: オリーブオイルや塩なしで、トマトのみで約30分程度煮込む。
3: 1度だけだと水っぽいので、2度濾過しソースに濃さを出す。
4: トマトソースは少し冷やしてからバジリコ入りの瓶にどんどんつめていく。
5: 保存のための殺菌消毒は瓶詰め後に約30分煮沸。

「瓶詰めに使用されるボトルは昔の瓶の方が割れにくく丈夫だから、何度も使うんだよ〜」と説明しながら、イレギュラーな形の瓶を満遍なくタンクに詰めていく、感覚が職人技だ。

南イタリアの食卓には欠かせないパッサータ(裏ごしトマトソース)は、冬の間に肉との煮込みラグーソースや、ナスのパルミジャーノなどのソースによく使われる。

■Pelati(トマトの水煮)の瓶詰め

2: トマトを詰める前に、バジリコの葉を数枚瓶に入れていく。
3: 半分程度の大きさにトマトをカットし、入れ指でぎゅーと押し込む 。
4: 隙間があると、煮込みあがったときに半分くらいの量になるとか 。
5: 保存のための殺菌消毒は瓶詰め後に約1時間ほど煮沸。

とにかくギュウギュウにこれでもか?と思うぐらい詰め込むのがポイントだとか?長期保存ためには、瓶詰め後かなり煮込む。

こちらは、トマトそのまま的な、フレッシュな食感が特徴なので、煮込みではなう、そのまま「スパゲッティ・アル・ポモドーロ」トマトのパスタや、魚介のパスタに数粒加えてマッキャートとして使ったり、野菜のスープにそのまま具として入れたりして使う。

■1番おいしい味を一年中味わいたい!

 夏の太陽を浴びたおいしい旬のトマトを食べれば誰だって、温室で育てられた冬の味気ないトマトなど、当然、できるだけ食べたくないと思ってしまう。それほど、夏の南イタリアのトマトは格別の味なのだ。そして、彼らの食卓にはトマトを使わない料理の方が少ないほど、不可欠な野菜だ。

昔は、8月の一番暑い時期に、この保存用のトマトソースを家族で作るのは当たり前の光景だった。21世紀の現代は、スーパーで大量生産されたトマトソースが好きな時に好きなだけ購入できるようになり、南イタリアでもこうした伝統的な光景がだいぶ少なくなりつつある。

保存トマトソースを作っている家族を探すのも一苦労の時代。ただ、トマトを選び、自分で加工したソースは何より安全だし、苦労した分美味しく感じるはず。
2002.8.6<ナポリ近郊>

   
 
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