「今夜にだって旅立ちたい。あの青い海だけが、今もそのままだという。なぜ毎晩、かつてのナポリと今のナポリを思うのか！サンタ・キャーラの修道院…四方の壁に閉ざされて、どれだけ誠実な女たちが愛する人を失い、イエスの花嫁になったことか！今では愛する人を一人失えば、とたんに百人手に入れる。この土地に心の清い女はもはや一人もいないという。もしそんな人の噂がほんとうだったら…？死ぬほどナポリに帰りたい。でも、どうすればいいんだろう…帰るのが恐ろしい！」

　かつて、大勢の南イタリアの人々がアメリカに移民するため旅立っていきました。ナポリに故郷への思いを歌った曲が非常に多いのは、そんな理由からです。今日でもイタリア人は故郷への思い入れがとても強い民族で、ひょいと日本を出ていったきりナシのつぶての誰かさんとは大違いですねえ！