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アントニオ・ストラディヴァリは側板に象眼細工の施されたクヮルテットを製作。その巨匠ストラディヴァリへ敬意を捧げるため、彼のヴァイオリンHellierの側板と同じデザインを施したヴィオラを製作しようと決心した。
このヴィオラの側板はストラディヴァリのヴァイオリンHellierと同じパターンになっている。様々な困難に出くわしたため製作に1年かかった。第一の困難は、ストラディヴァリが表板と裏板の象眼細工に使用していた象牙の代理品(象牙の使用は現在禁止されている)を見つけることだった。代理品として2種類の類似したマテリアル(牛の大腿骨とカゼインプラスチック)を見つけることができたが、牛の大腿骨は多孔質ですぐに欠けてしまうので、延性に富み外見も象牙に似ているカゼインプラスチックを使用することに決めた。そして、第二の困難は側板。当然のことながら、ヴィオラの側板の象眼細工は大きさの異なるヴァイオリンのものと同じになりえない。そこで、ヴァイオリンの象眼細工をスキャンして、ヴィオラ用にコンピュータでサイズを修正。印刷すると完璧なヴィオラ用デザインが出来上がった。
表板と裏板への象眼細工の接着は黒壇の粉末とウサギのにかわを混合した接着剤を使用した。ヴィオラの渦巻きに関しては、まず渦巻きの形を縁取り、彫りだし、最後に側板に行なった象眼細工の作業と同様の作業を施した。
オリジナル同様の上品なスタイルを保てるように細心の注意を払って作品製作にあたった。現在、このヴィオラはクレモナの国際ヴァイオリン製作学校の博物館におかれている。
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