Marco Masini

 

L’UOMO VOLANTE

空飛ぶ男

 

(M. Masini - B. Dati - G. Orlandi)

 

 もしお前が生まれたなら、もう遅すぎるけれど、やっとぼくは心の覆いを取りのぞき、自分の人生を理解するだろう。選択を誤る度に、お前の所へ赴いていった人生を。こうしてぼくはもうおまえの笑顔を思い浮かべてる。スタジアムのバールで親しい仕草で二人の熱中するのが目に浮かぶ。一度もそんな事起こらないのだけど。

 

 流れ行く星の浮き出す八月の空をプレゼントしたい。そして体の中から昇る隠れた太陽を。それはおまえの自由の果てを描き出す。大切な名前を持つあの軽い響き。空飛ぶ男の羽を。ぼくの愚痴の中におまえを隠してしまわないように。

 

 もしここにおまえがいたら彼女に恋する勇気だって出るだろう。今みたいに、おまえに話して聞かせるために。

 空飛ぶ男のような夢見る父親の、あの優しい抱擁を呼び起こすような、そんな無限をプレゼントしたい。たとえ生まれて来なくても、胸の中ではおまえが誰か知っている…そうならいいな、そうでありたいな…。

 

 

 

 4年ぶりにサンレモに戻ってきたMarco Masini40歳を向かえ、息子を持つことにあこがれる彼が、まだ見ぬわが子に話しかける。

 

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