歌手のための発音教室 1時間目

 

 

イタリア語の母音は日本語と一緒でa e i o u5種類だから、簡単、簡単なんて思ったら大間違い。たとえばuとウ。音声学的に言って日本語のウは非円唇音、イタリア語のuは円唇音と、全く別の音なのです。具体的にいうと、日本語のウは唇がニュートラルのまま発音されるため、かなりあいまいな音、一方イタリア語のuは唇をぐっと円く突き出し、口腔の空間もずっと広いのでとてもはっきりした、深みのある音になります。tu(あなた)やscusa(ごめん)など、歌の歌詞に頻繁にでてくる単語を使って練習してみましょう。

1)鏡をみながら唇を円くつきだす。(遠くの人に投げキッスの要領ね!)

2)オーと発音する。(ほら、深い響きの音がでるでしょ)

3)口腔内の空間を少しだけせまくする。(はい、イタリア語のウのできあがり)

真っ先にウの音を取り上げたのは、この母音が発声に多大な影響を及ぼす大切な母音だからです。今日からあなたのウをイタリア語のウに切り替えてみてください。イタリア語がきれいになるばかりではなく、声がとってもよく響くようになりますよ。どうしてもうまく行かない人は始めのうちはuoに全て置き換えて歌ってみましょう。日本語のウだけは使わないでね!

 

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