カンツォーネ・ナポレターナはクラシックばかりじゃない!
ナポレターナはナポリの地でナポリ語によって書かれた大衆歌謡です。多くが著名なアーティストによって書かれているため、民謡(作者不詳)とも呼べません。一般によく知られたところでは、学校の教科書にもでてくるオー・ソーレ・ミオ、帰れソレントヘ、サンタ・ルチア、そして虎のパンツの替え歌で子供達に知られた(古い?) フニクリ・フニクラなどがあります。これらはかなりクラシック臭が強いですが、もっと大衆的で独特のメロディーを持つ一般的なナポレターナが日本ではあまり知られていないのが残念です。メロディーがエキゾチックなのはかつてのアラブの音楽の影響が残っているためと言われていますが、定かな所は知りません。
ナポレターナは日本では殆どと言っていいほどクラシック歌手によって歌われているようですが、現地では殆ど生粋のナポリっ子の歌手によって歌われます。内容はかなり庶民的で、彼らの生活、感情が生々しく迫ってくるようなものが多い上、ナポリ語の発音が難しく、ナポリ特有の感情表現なども、普通の歌手にはちょっと真似が不可能なのです。それにもかかわらず、その美しい独特のメロディーはイタリア中の人から愛され、現代的なアレンジで新しい命を吹き込まれたり、ギターやマンドリンの、昔ながらの素朴な伴奏で歌われたりしています。毎年Canale5で放映されるViva
Naporiというナポレターナのフェスティバルでは、そんな現代に生きるナポレターナを思いきり楽しむ事が出来ます。イタリアを含め世界的に音楽が無国籍化している今日、胸を張ってこれがイタリアの音楽だ!と言えるのは、もはやナポレターナだけではないでしょうか。